2026年7月31日、ファン付きウェア「空調服」を展開する株式会社空調服が、公式X(旧Twitter)で一般名称としての使用を控えるよう呼びかけた投稿が話題となり、批判を受けて謝罪する事態に発展した。商標権をめぐる企業の呼びかけ方について、知的財産の専門家からも見解が示されている。
30秒でわかるポイント
- 株式会社空調服が公式Xで「空調服」は登録商標だと注意喚起
- 一般消費者から批判が寄せられ、同社は謝罪
- 弁理士の栗原潔氏は「呼びかけ自体は賢明」との見解を示した
何が起きたのか
株式会社空調服は、ファンが内蔵された作業着「空調服」を展開する企業である。
同社は公式X上で、「空調服」という言葉が登録商標であることを説明し、一般名称として使わないよう呼びかける投稿を行った。
この投稿に対しては、一般消費者から批判の声が寄せられ、株式会社空調服は最終的に謝罪する結果となった。
なぜ批判が起きたのか
商標名が広く社会に浸透し、一般名称のように使われるケースは他の商品でも見られる現象である。
「空調服」という言葉についても、ファン付きウェア全般を指す言葉として日常的に使われている実態があったとみられる。
そうした中で企業側から使用を控えるよう求められたことに対し、一般消費者の間で違和感や反発が生まれたとみられる。
弁理士は「賢明」と評価
知的財産に詳しい栗原潔弁理士は、今回の株式会社空調服の呼びかけについて見解を示している。
栗原弁理士は、商標権者がこうした呼びかけを行うこと自体は「賢明」だとの立場を取っている。
商標は使われ方によっては「普通名称化」してしまい、権利者が商標権を失うリスクがあるとされる。そのため権利者が早めに注意喚起を行うことには一定の合理性があるという見方といえる。
一方で、呼びかけの方法や伝え方によっては、消費者の受け止め方が大きく変わる可能性もある。今回のケースでは、内容自体の正当性とは別に、伝え方をめぐって反発が広がった側面があるとみられる。
商標をめぐる企業と消費者の立場
商標権を守りたい企業側の立場としては、ブランド名が一般名詞化してしまうと権利行使が難しくなるという事情がある。
一方、消費者側からすれば、日常的に使ってきた言葉について急に注意を受けることに戸惑いを感じる場合もある。
このように、企業の権利保護と消費者の言葉の使い方をめぐっては、双方に一定の理由があり、単純にどちらが正しいと言い切れる問題ではない。
まとめ
株式会社空調服による商標に関する注意喚起は、企業としての権利保護の観点からは合理的な行動だったとの見方がある一方、伝え方をめぐって消費者からの反発を招く結果となった。商標の一般名称化を防ぎたい企業と、日常的な言葉として使ってきた消費者との間には、今後も同様の摩擦が生じる可能性があるとみられる。
出典: ITmedia NEWS