7月6日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「トリフネ」に接近し、その姿を撮影することに成功したと伝えられた。フライバイ自体は7月5日18時30分ごろに行われたもので、日本の宇宙探査技術の高さをあらためて示す出来事として注目されている。
「トリフネ」フライバイの概要
今回対象となった小惑星「トリフネ」は、直径約500メートル程度で、細長い形状をしているという。はやぶさ2はこの小惑星の近くを、秒速約5キロメートルという非常に速い速度で通過(フライバイ)しながら撮影を行った。
秒速5キロメートルという速度は、1秒間に5キロメートル進む計算で、私たちの日常感覚では想像しにくいほどの速さだ。この高速で移動しながら、細長い形状の小惑星をとらえた点が、今回の撮影の技術的なポイントといえる。
なお「フライバイ」とは、探査機が天体に着陸せず、その近くを通過しながら観測を行う手法を指す。着陸に比べてリスクが低く、多くの天体を効率よく調べられる利点がある。
はやぶさ2の「拡張ミッション」
はやぶさ2は、もともと小惑星「リュウグウ」を探査し、そのサンプル(試料)を地球に持ち帰ることを主な目的とした探査機だ。2020年にサンプルの入ったカプセルを地球へ届けたあとも、探査機本体は宇宙空間での運用を続けている。
今回のトリフネへの接近は、こうした本来の任務を終えた後に続けられている「拡張ミッション」の一環とみられる。すでに実績のある探査機を、燃料や機体の状態が許す限り新たな目標に向かわせることで、追加の科学的成果を得ようとする取り組みだ。
小惑星探査の意義
小惑星は、太陽系が誕生した頃の物質を比較的そのまま残していると考えられており、その組成や形状を調べることは、太陽系の成り立ちを理解するうえで重要な手がかりになるとされる。
また、地球に接近する可能性のある小惑星の性質を知ることは、将来的な防災という観点からも関心を集めている。今回撮影された「トリフネ」の形状や表面の様子は、今後の分析を通じてさらに詳しく明らかになっていくとみられる。
まとめ
- 7月5日18時30分ごろ、はやぶさ2が小惑星「トリフネ」のフライバイに成功したと7月6日に伝えられた
- トリフネは直径約500メートルの細長い形状の小惑星で、探査機は秒速約5キロメートルで通過しながら撮影した
- 主要ミッションを終えた後も運用が続くはやぶさ2の、新たな成果として注目される
高速で移動しながら遠い天体をとらえる技術は、日本の宇宙探査の一つの到達点といえる。今後の詳しい分析結果にも注目したい。