キオクシアに約370億円の支払い命令、米特許訴訟でViasatと対立 控訴の方針

7月17日、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(キオクシアHD)が、米国での特許訴訟で約2億2900万ドル(約370億円)の支払いを命じられたことがわかった。日本を代表する半導体企業が海外の特許訴訟で巨額の支払いを求められた事例として、企業活動や国際的な知的財産保護のあり方を考えるうえで注目されるニュースだ。

何が起きたのか

報道によると、キオクシアHDの子会社が、米衛星通信会社Viasat(バイアサット)の特許を侵害したとして訴えられていた。これに対し、米連邦地方裁判所の陪審が、約2億2900万ドル(日本円で約370億円)の支払いを命じる評決を下したという。

陪審評決とは、米国の裁判制度で、一般市民から選ばれた陪審員が事実認定や賠償額などについて判断を示す仕組みを指す。今回の評決では、キオクシア側が特許を侵害したと認定され、多額の支払いが命じられた形だ。

キオクシア側の受け止め

この評決について、キオクシアHDは「到底容認できるものではない」との立場を示している。そのうえで、控訴を含む法的手段を講じる方針だと伝えられている。

米国の裁判では、地裁の陪審評決が出た後も、控訴によって上級審で争う道が残されている。キオクシアHDが控訴した場合、最終的な結論が確定するまでには一定の時間がかかるとみられる。現時点で公表されているのは、あくまで一審の陪審評決の段階である点に注意が必要だ。

なお、Viasat側の主張や訴訟の詳しい経緯については、今回の報道では詳細が明らかにされていない。特許侵害をめぐる訴訟では、双方の主張が対立するのが一般的であり、今後の展開を見守る必要がある。

特許訴訟が持つ意味

半導体やIT分野では、企業が保有する特許が競争力の源泉となるため、特許をめぐる訴訟が世界各地で起きている。とくに米国は賠償額が高額になりやすいとされ、グローバルに事業を展開する企業にとって、知的財産の管理は経営上の重要な課題となっている。

キオクシアはNAND型フラッシュメモリーなどを手がける企業で、スマートフォンやデータセンターなど幅広い分野で使われる記憶装置を供給している。こうした企業が国際的な特許訴訟に直面することは、事業運営やコスト面に影響を及ぼす可能性がある。

まとめ

7月17日に伝えられたこのニュースは、キオクシアHDの子会社が米連邦地裁の陪審評決で約370億円の支払いを命じられ、同社が控訴を含む法的手段で争う方針を示したというものだ。あくまで一審段階の評決であり、今後の裁判の行方はまだ確定していない。半導体やIT分野における特許の重要性、そして国際的な訴訟リスクを考えるうえで、押さえておきたい話題といえるだろう。