7月23日、ニューヨーク市のゾーラン・クワメ・マムダニ市長が「賃貸詐欺報告書」を発表し、賃貸物件の情報がAI(人工知能)で改変されていた場合に、その事実を開示することを義務付けるなど23項目の政策措置を示しました。物件写真の生成・加工にAIが使われ、入居希望者が混乱するケースが問題視される中での提言であり、AI時代の消費者保護のあり方を考えるうえで注目されるニュースです。
何が起きているのか
概要によると、不動産業者が物件写真の生成・加工にAIを使用し、混乱を招く事態が発生しているとされています。AIを使えば、実際の部屋の状態を実物以上に美しく見せたり、存在しない設備を追加したりといった加工が容易になります。こうした改変が入居希望者に正確に伝わらないと、契約後に「写真と実物が違う」といったトラブルにつながる懸念があります。
今回マムダニ市長が発表したのは「賃貸詐欺報告書」であり、賃貸物件をめぐる問題への対策をまとめたものとされています。その中の一つの措置として、AIによる情報改変があった場合の開示義務付けが盛り込まれています。
23項目の政策措置とは
報告書には、AI改変の開示義務を含む合計23項目の政策措置が示されたと伝えられています。個々の項目の詳細は元ニュースには示されていませんが、賃貸物件をめぐるさまざまな詐欺的行為や消費者トラブルに対応する包括的な内容とみられます。
AIによる画像加工の開示義務は、その中でもテクノロジーの進展に対応した新しい論点といえます。近年、生成AIによって写真や映像を精巧に加工することが容易になっており、不動産に限らず幅広い分野で「本物か加工か」を見分けることが難しくなっているためです。
論点として考えられること
このような開示義務の是非については、複数の見方が想定されます。
一方では、入居希望者が正確な情報に基づいて判断できるようにするため、AI改変の開示は消費者保護に資するという考え方があります。他方で、開示のルールをどこまで細かく定めるか、加工の程度をどう線引きするか、事業者の負担をどう考えるかといった実務上の課題も指摘されうる点です。
なお、これらはあくまで一般的に考えられる論点であり、元ニュースにはこうした賛否の具体的な議論内容は記載されていません。今後、実際にどのように制度化・運用されるかが注目される段階とみられます。
まとめ
7月23日、ニューヨーク市のマムダニ市長が賃貸詐欺報告書を発表し、AIで改変された不動産情報の開示義務付けを含む23項目の政策措置を示しました。生成AIの普及によって画像加工が容易になる中、消費者がどのように正確な情報を得るかは、不動産分野に限らず社会全体の課題となりつつあります。テクノロジーの進歩に法制度がどう対応していくのか、今後の動きに注目したいところです。