世界一高価なスパイス「サフラン」はなぜ数千年も値下がりしないのか

8月2日、教育系YouTubeチャンネル「TED-Ed」が、世界で最も高価なスパイルとされるサフランの生態と価格の秘密をアニメーションで解説する動画を公開したと、Gigazineが伝えた。パエリアやブイヤベースの彩りに使われるこの香辛料が、なぜ「赤い金」と呼ばれるほど高価なままなのかが話題になっている。

30秒でわかるポイント

  • サフランは「種子を作れない花」という突然変異から生まれた植物
  • 人間が数千年にわたり球根で増やし続けてきた特異な栽培植物
  • 希少性の高い栽培方法が、現在まで高価格を維持する理由とされる

サフランとはどんなスパイスか

サフランは、クロッカスという花のめしべの部分を乾燥させて作られるスパイスです。

料理に鮮やかな黄色や赤みを加えるほか、独特の香りづけにも使われ、スペイン料理のパエリアやフランスの魚介スープ・ブイヤベースなどに欠かせない存在とされています。

その希少性と価格の高さから、「赤い金」という異名でも知られています。

種子を作れない花という特異な生態

TED-Edの解説によると、サフランクロッカスは突然変異によって生まれた植物で、種子を作ることができないという特徴を持っているとみられる。

通常の植物であれば種子によって繁殖しますが、サフランクロッカスの場合は球根を人間が手作業で植え替えることでしか増やせないと伝えられている。

つまり、自然界だけでは存続できず、人間の手による栽培なしには維持できない植物だということになる。

数千年続く人力での栽培が価格を支えている

この動画では、人間が数千年という長い年月をかけてサフランクロッカスを増やし続けてきた経緯が紹介されているとみられる。

種子で自然繁殖できないため、栽培には次のような手間がかかるとされる。

  • 花からめしべを一つひとつ手作業で摘み取る作業
  • 球根を人の手で植え替えて増やす工程
  • 収穫時期が限られていることによる作業の集中

こうした手間のかかる工程が、機械化や大量生産を難しくしている要因の一つとみられる。

高価格が続く理由は「効率化できない栽培方法」

サフランの価格が数千年経っても下がらない背景には、種子繁殖ができないという植物としての制約と、それに伴う人力中心の栽培方法があるとみられる。

現代においても大規模な自動化が難しく、収穫量を大きく増やすことが困難な作物であることが、希少価値と高価格を維持し続ける理由として挙げられている。

まとめ

サフランは、突然変異によって種子を作れなくなった花を、人間が数千年にわたり球根で増やし続けてきたという特異な歴史を持つスパイスです。この栽培のしにくさこそが、現代まで「赤い金」と呼ばれるほどの高価格を支える理由になっているとみられます。日常の料理に使われる身近な香辛料の裏には、植物の進化と人間の営みが密接に関わっている点が興味深いポイントといえるでしょう。

出典: Gigazine