経産省が「全東信」破産で中小企業支援へ 特別相談窓口と日本公庫の貸付要件緩和を発表

7月10日、経済産業省の赤沢亮正大臣は、決済代行事業者の「全東信」が破産手続きに入ったことを受け、影響を受ける中小企業向けの支援策を発表した。決済代行会社の破産は、その会社を経由して代金を受け取っていた事業者の資金繰りに直接響くため、中小企業の経営に波及する可能性がある。今回の対応は、その影響を最小限に抑えることを狙ったものとみられる。

何が起きたのか

決済代行事業者とは、店舗やネットショップに代わってクレジットカードなどの決済処理を行い、売上代金をまとめて事業者へ支払う役割を担う会社だ。今回、この「全東信」が破産手続きに入ったことで、同社を利用していた中小企業などが、本来受け取るはずだった代金を回収できなくなる懸念が生じている。

売上の入金が滞れば、仕入れや人件費の支払いに影響が及ぶ可能性がある。経済産業省はこうした資金繰りへの影響を懸念し、支援策を打ち出した形だ。

経産省が発表した支援策

赤沢大臣が発表した支援策の柱は、大きく2つある。

  • 特別相談窓口の設置:資金繰りへの影響が懸念される中小企業からの相談を受け付ける窓口を設ける。
  • 日本政策金融公庫による貸付要件の緩和:政府系金融機関である日本政策金融公庫(日本公庫)が行う貸し付け制度の要件を一部緩和する。

日本政策金融公庫は、民間の銀行から融資を受けにくい中小企業や小規模事業者を支える政府系の金融機関だ。今回、その貸付要件を緩めることで、資金調達を必要とする事業者が融資を受けやすくなることが期待される。

なお、具体的な緩和内容や相談窓口の詳細な運用については、元の発表情報の範囲では明らかにされていない。

なぜ重要なのか

キャッシュレス決済が広がる中で、決済代行事業者は多くの店舗や事業者にとって欠かせない存在となっている。その一社が破産した場合、利用していた事業者が連鎖的に影響を受けるリスクがある。

今回の経済産業省の対応は、こうした決済インフラの担い手が経営破綻した際に、行政がどのように中小企業を下支えするかを示す一例といえる。一方で、支援の効果や対象範囲がどこまで及ぶかは、今後の運用を見て判断する必要があるとみられる。

まとめ

7月10日、経済産業省の赤沢亮正大臣は、決済代行事業者「全東信」の破産手続き入りを受け、中小企業向けの特別相談窓口の設置と、日本政策金融公庫による貸付要件の一部緩和を発表した。決済代行会社の破綻は利用事業者の資金繰りに直結するため、影響の広がりや支援の具体的な運用が今後の焦点となりそうだ。