8月22日に配信された記事で、マネー評論家の榊原正幸氏が、人気の高い「高配当株」投資について独自の見解を示している。配当金を受け取ること自体が投資として失敗だとする主張は、多くの個人投資家の常識とは異なる視点であり、注目される内容といえる。
30秒でわかるポイント
- 高配当株は個人投資家に根強い人気がある投資スタイル
- 配当を受け取ると理論上は株価が下がる仕組みがある
- 配当を「得」と感じる心理には落とし穴があるという指摘
高配当株とはどんな投資スタイルか
高配当株とは、企業が利益の一部を株主に還元する「配当金」を、株価に対して高い割合で支払う銘柄のことを指す。
毎年まとまった配当金を受け取れることから、安定した収入源として個人投資家の間で人気を集めてきた投資スタイルである。
「配当をもらう=失敗」とされる理由
榊原氏は、著書『60歳までに億り人になる思考法』の中で、配当を受け取ること自体が投資の失敗にあたると述べている。
その根拠として挙げられているのが、配当と理論株価の関係だ。企業が配当金を支払うと、その分だけ会社の資産が外部に流出するため、理論上は配当金の額に相当する分だけ株価が下がる仕組みになっているという。
つまり、投資家が受け取る配当金は、株価の値下がりという形で自分の資産の一部が戻ってきているに過ぎない、という考え方である。
心理的な落とし穴とは
多くの投資家は、配当金を受け取ると「利益を得た」と感じやすい。しかし榊原氏の指摘によれば、これは心理的な錯覚である可能性がある。
配当を受け取っても、株価が下がった分を含めれば、資産全体としては増えていないケースがあるためだ。この心理的なズレが、高配当株を選ぶ判断に影響を与えているとみられる。
榊原氏は、こうした仕組みを理解しないまま配当金を「得」と捉えることが、資産形成における判断を誤らせる要因になりうると解説している。
高配当株投資をめぐる考え方の違い
一方で、配当金を定期的な収入源として重視する投資スタイルには一定の合理性があるという見方も存在する。
- 配当金は現金として手元に入るため、生活費や再投資資金として活用しやすい
- 株価の値動きに一喜一憂せず、長期保有を続けやすいという心理的なメリットもある
- 配当を出す企業は財務が安定している傾向があるとされる
このように、配当の受け取り方や投資の目的によって、高配当株投資の評価は分かれる部分がある。理論株価の仕組みを理解した上で、自分の投資方針に合った選択をすることが求められそうだ。
まとめ
8月22日に紹介された榊原正幸氏の見解は、配当と理論株価の関係を踏まえ、配当を受け取ることが必ずしも資産の増加につながらない可能性を指摘するものだった。高配当株投資には根強い人気がある一方で、その仕組みを正しく理解することの重要性が改めて示された形といえる。投資を検討する際は、こうした多角的な視点を踏まえて判断することが望ましいだろう。
出典: ダイヤモンド・オンライン