7月20日、アメリカのペンシルベニア州立大学などの研究チームが、仕事のスケジュールが直前まで決まらない労働者は、規則的な勤務時刻で働く労働者に比べて生活全体の幸福度が低い傾向にあるとする研究結果を報告しました。働き方の柔軟性が語られることが多い一方で、「予測できないシフト」が人々の暮らしに与える影響に注目が集まっています。
研究が明らかにしたこと
今回の研究で示されたのは、勤務時刻が直前まで決まらない労働者の「生活全体の幸福度」が、規則的な勤務時刻の労働者よりも低い傾向にあるという点です。
ここでポイントになるのは、比較されているのが「仕事中の満足度」だけでなく、生活全体を含めた幸福度だという点です。つまり、いつ働くかが読めない状態は、仕事の時間だけでなく私生活にも影響を及ぼす可能性があると、研究チームは報告しています。
なお、この記事で扱う内容は出典で示された範囲に限られ、それ以上の詳細な数値や調査手法についてはここでは確認できていません。
なぜスケジュールの不確実性が問題になりうるのか
勤務時刻が直前まで決まらない働き方は、いわゆる「オンコール」や「変動シフト」と呼ばれる形態でしばしば見られます。こうした働き方については、これまでも複数の見方が存在します。
一方の立場では、需要に応じて人員を柔軟に配置できるため、企業にとって効率的であり、労働者側にとっても働く時間を調整しやすい利点があるとされます。他方の立場では、予定が立てられないことで、家庭の予定・通院・学業・副業などの計画が難しくなり、生活の安定感が損なわれるという指摘があります。
今回の研究結果は、後者の懸念に関して一つのデータを示したものと位置づけられます。ただし、どのような働き方が最適かは、業種・個人の事情・雇用条件によって異なるため、単純にどちらが良い悪いと断定できるものではありません。
私たちの働き方への示唆
この研究は、働き方を考えるうえで「時間の予測可能性」という視点があることを改めて示しています。給与や労働時間の長さだけでなく、「いつ働くかが事前にわかるかどうか」も、暮らしの質に関わりうる要素だと捉えられます。
企業側にとっては、シフトを早めに確定させる仕組みづくりが、従業員の満足度や定着につながる可能性があるとみられます。一方で働く側にとっても、就職や転職の際に勤務スケジュールの決まり方を確認しておくことが、生活設計を考えるうえで参考になるかもしれません。
まとめ
- 7月20日、ペンシルベニア州立大学などの研究チームが、勤務時刻が直前まで決まらない労働者は幸福度が低い傾向にあると報告した
- 影響は仕事中だけでなく、生活全体の幸福度に及ぶ点が特徴とされる
- 変動的な働き方には効率性という利点と生活の不安定さという課題の両面があり、評価は立場によって分かれる
- 「いつ働くかの予測可能性」が、働き方を考える一つの視点として注目される
働き方の議論は、給与や労働時間だけでなく「時間の見通しやすさ」という観点も含めて考えることが、今後さらに重要になっていきそうです。