AppleマップがFordの次世代EVに直接統合へ|CarPlay不要でナビ稼働する新SDKとは

7月23日、Appleと米自動車大手Ford Motorが、次世代EV(電気自動車)の基盤にAppleの地図アプリ「マップ」を直接組み込むと発表した。これまで車載でAppleのナビを使うにはiPhoneを接続する「CarPlay」が前提だったが、今回の連携ではiPhoneがなくても車自体の機能としてナビが動く点が大きな変化だ。スマホと車の関係が変わる可能性を示す動きとして注目される。

新SDKでCarPlayなしでもナビが動く

今回の発表の中心となるのが、Appleが新たに提供するSDK(ソフトウェア開発キット:アプリや機能を開発するための道具一式)だ。

従来のCarPlayは、iPhoneを車に接続し、車の画面にスマホの機能を映し出す仕組みだった。そのため、iPhoneを持っていない、あるいは接続していない状態ではAppleマップを車載ナビとして使えなかった。

新SDKを使うことで、Fordは次世代EVの車載システムそのものにAppleマップを組み込める。これにより、iPhoneを接続しなくても、車の標準機能としてナビゲーションが稼働するようになる。

EV特有の機能にも対応

今回の統合は、単なる地図表示にとどまらない。EVならではの機能にも対応するとされている。

発表によると、Appleマップは次の用途にも活用される。

  • EV向けの経路探索:走行可能距離や充電スポットを考慮したルート案内
  • 充電向けの温度調整:充電を効率化するためのバッテリー温度管理

EVは走行距離や充電のタイミングが利用者の関心事になりやすいため、地図情報とEV機能を連動させることで、より実用的なナビ体験を目指す狙いがあるとみられる。

ハンズフリー走行「BlueCruise」にも地図を活用

さらに、Appleの地図情報は、Fordのハンズフリー走行機能「BlueCruise」の開発にも使われる。

BlueCruiseは、対応する道路で手をハンドルから離した状態での運転支援を可能にする機能だ。こうした運転支援には、道路の形状や車線などの詳細な地図データが重要になる。Appleマップの地図情報を活用することで、走行支援機能の精度向上につなげる意図があると考えられる。

なお、今回の発表時点で、具体的な搭載車種や提供開始時期などの詳細は明らかにされていない。

まとめ

7月23日に発表されたAppleとFordの連携は、次のポイントに整理できる。

  • Appleの「マップ」をFordの次世代EVに直接組み込む
  • 新SDKにより、iPhoneやCarPlayがなくても車載ナビが稼働する
  • EV向け経路探索や充電向け温度調整にも対応する
  • ハンズフリー走行機能「BlueCruise」の開発にも地図情報を活用する

スマホを介さずに車がAppleの地図機能を直接使えるようになる点は、これまでの車載システムの前提を変える動きといえる。今後、他の自動車メーカーやIT企業がどのような対応を取るのか、業界の動向を見ていく手がかりになりそうだ。