2026年7月31日、プレジデントオンラインは甲南大学マネジメント創造学部の前田正子教授による、就職氷河期世代と少子化の関係についての論考を伝えた。当時の雇用対策の遅れが、現在の人口減少に影響しているとの見方が示されている。
30秒でわかるポイント
- 就職氷河期世代は「失われた30年」の中で就職難に直面した世代
- 同世代の女性の約3割が子どもを産んでいないとされる
- 甲南大学の前田正子教授が、当時の対策不足の影響を指摘
就職氷河期世代とは何か
就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1990年代半ばから2000年代にかけて就職活動を行った世代を指す。
この時期は企業の採用が大幅に絞られ、大卒者の3割が無職やアルバイトといった不安定な立場に置かれたとされる。
前田教授はこの状況を「失われた30年」という言葉で表現し、当時の日本経済の停滞が若者の就職環境に大きな影響を与えたと述べている。
女性の約3割が子どもを産んでいない現実
記事によると、就職氷河期世代の女性の約3割が子どもを産んでいないという。
安定した職に就けなかったことが、結婚や出産のタイミングを逃す一因になった可能性があるとみられる。
ただし、子どもを持たない選択には経済的要因以外にも、価値観の多様化や個人のライフスタイルの変化など複数の要因が関わっていると考えられ、一概に就職環境だけが原因とは言い切れない側面もある。
「手を打たなかった」との指摘
前田教授は、当時の政府や社会が就職氷河期世代への支援に十分に取り組まなかった点を、現在の少子化問題につながる「大きすぎるツケ」と表現しているとされる。
一方で、当時は財政的制約や経済状況の複雑さから、有効な対策を打ち出すこと自体が難しかったとの見方も存在する。
政策の遅れをどう評価するかについては、経済学者や政治関係者の間でも意見が分かれる部分であり、単純に断定できる問題ではない。
少子化対策への示唆
就職氷河期世代の経験は、現在の若者世代への就労支援や子育て支援を考える上での教訓になり得るとの指摘もある。
- 非正規雇用者への支援拡充
- 若年層の所得安定化策
- 結婚・出産をためらわせない社会環境の整備
こうした点が、今後の政策議論において参照される可能性がある。
まとめ
就職氷河期世代が直面した雇用環境の厳しさと、その後の少子化との関連について、前田正子教授の見解が紹介された。当時の政策対応の是非については様々な立場からの評価があり、今後も議論が続くとみられる。この世代の経験は、現在の若者支援策を考える上での参考材料になる可能性がある。
出典: プレジデントオンライン