東洋経済オンラインは8月5日、人類学の視点を仕事や日常のコミュニケーションに活かす方法を紹介する記事を公開した。異文化フィールドワークの経験を持つ松木省吾氏が、ケニアの女性店主の商売の仕方を例に解説している。
30秒でわかるポイント
- 松木省吾氏がケニアの女性店主の商売術を人類学の視点で紹介
- 観光客と地元客で価格が異なる背景に「相手の立場を想像する力」がある
- この考え方を「視点の移動」と呼び、職場や家庭のすれ違い解消に応用できるとする
ケニアの女性店主が見せた「価格の違い」
記事では、ケニアで大繁盛している女性店主のエピソードが取り上げられている。
彼女は観光客と地元の客に対して、異なる価格で商品を売っているという。
一見不公平に見えるこの仕組みだが、そこには相手の生活状況や経済事情を踏まえた判断があるとみられる。
観光客と地元住民では、同じ商品に対して感じる価値や支払える金額が異なる。店主はその違いを理解した上で価格を調整しているという見方が示されている。
人類学者が説く「視点の移動」とは
松木氏はこうした行動を、人類学的な「視点の移動」という考え方で説明している。
視点の移動とは、自分の立場からではなく、相手の立場に立って物事を捉え直す姿勢を指す。
職場や家庭で起きるすれ違いや誤解の多くは、相手の状況や背景を十分に想像できていないことから生まれると松木氏は指摘しているという。
異文化のフィールドワークを重ねてきた経験から、松木氏は「相手が何を大切にしているか」を理解する重要性を伝えている。
ビジネスや職場のコミュニケーションへの応用
この「視点の移動」という考え方は、商売の場面だけでなく、職場でのコミュニケーションにも応用できるとされている。
例えば、同じ提案でも相手の立場や事情によって受け取り方が変わることは少なくない。
- 上司と部下
- 取引先と自社
- 顧客と店舗側
こうした関係性の中で、一方的な視点だけで判断すると誤解が生じやすいという。
松木氏は、人類学を通じて培われた「相手の立場を想像する視点」が、日常のコミュニケーションの質を高めるヒントになるとしている。
まとめ
ケニアの女性店主が観光客と地元客で価格を分ける事例は、単なる商売の工夫にとどまらず、相手の立場を想像する「視点の移動」という考え方を象徴している。松木省吾氏はこの人類学的なアプローチが、職場や家庭でのすれ違いを減らすきっかけになるとみている。異なる立場の相手を理解しようとする姿勢は、ビジネスの現場でも役立つ視点といえそうだ。
出典: 東洋経済オンライン