8月30日、ポーランドのヴロツワフ大学とアダム・ミツキェヴィチ大学の研究チームが、独身であることと世帯収入の関係が国の文化によって異なるとする研究結果を発表した。年齢や収入だけでなく、暮らす国の価値観も独身かどうかに影響している可能性がある。
30秒でわかるポイント
- ポーランドの2つの大学の研究チームが59カ国・7万1169人分のデータを分析
- 世帯収入が低いほど独身である傾向は、個人主義的な国ほど強いと判明
- 集団主義的な国では、この傾向が個人主義国ほど顕著ではなかったとみられる
何が明らかになったのか
今回の研究は、ポーランドのヴロツワフ大学とアダム・ミツキェヴィチ大学の研究チームによるもの。世界59カ国、合計7万1169人分のデータをもとに、世帯収入と独身であるかどうかの関係を分析した。
その結果、世帯収入が低い人ほど独身である傾向が見られたが、この傾向の強さは国によって差があることがわかった。具体的には、個人主義的な文化を持つ国ほどこの傾向が強く現れたという。
個人主義と集団主義の違いとは
研究チームが着目したのは、各国の文化が「個人主義的」か「集団主義的」かという違いだ。
個人主義的な国とは、個人の自由や自己決定を重視する文化を持つ国を指す。一方、集団主義的な国とは、家族や地域社会とのつながりを重視する文化を持つ国とされる。
研究では、この文化的な違いが、収入と独身であることの関係の強さに影響を与えていると分析している。個人主義的な国では、収入が低いことが結婚や交際といったパートナー関係の形成における障壁になりやすい可能性があるとみられる。
なぜこの違いが生まれるのか
概要からは、集団主義的な国において傾向が弱まる具体的な理由までは明らかにされていない。
ただし、集団主義的な文化では家族や地域社会からの支援が得やすく、収入面での不利がパートナー関係の形成に与える影響が相対的に小さくなる可能性が考えられる。一方、個人主義的な文化では、パートナー選びにおいても自己責任・自己決定の側面が強く出やすく、経済状況がより直接的に影響しやすいとみられる。
まとめ
今回の研究は、独身であるかどうかが個人の収入だけでなく、暮らす国の文化的な価値観にも左右される可能性を示した点で注目される。個人主義的な社会と集団主義的な社会とでは、経済状況が人間関係の形成に与える影響の度合いが異なることが示唆された形だ。今後、こうした文化差がなぜ生まれるのか、さらなる分析が待たれる。
出典: Gigazine