2026年6月、インターネットバンキングを利用する企業を狙った新たなサイバー犯罪が相次いで発覚しています。銀行をかたる自動音声の電話を使い、企業のパソコンを遠隔操作して口座から不正送金を行う「ボイスフィッシング」と呼ばれる手口で、被害額は全国30社以上、合わせておよそ13億円に上ることが捜査関係者への取材で明らかになりました。
「ボイスフィッシング」とはどのような手口か
今回確認されている手口は、まず銀行を装った自動音声の電話が企業にかかってくることから始まります。電話を受けた社員に対し、口座のトラブルや確認作業などを名目に、パソコンを遠隔操作できるソフトをインストールさせるのが特徴です。
ソフトがインストールされると、犯人側は遠隔で企業のパソコンを操作できるようになり、インターネットバンキングを通じて口座から資金を不正に送金していたとみられています。被害は先月(2026年5月)ごろから相次いで発生しているということです。
従来のフィッシング詐欺はメールやSMS(ショートメッセージ)を使う手口が主流でしたが、「ボイスフィッシング」は音声による電話を入り口とする点で、より巧妙化していると指摘されています。
企業が狙われる背景と被害の規模
今回の被害が企業に集中している点も注目されます。企業のインターネットバンキング口座は個人口座に比べて取引額が大きいことが多く、一度の不正送金で多額の被害につながりやすいとみられます。
被害額は全国30社以上で合計およそ13億円に達しており、1社あたりの被害も決して小さくありません。警視庁はこの手口を「ボイスフィッシング」とみて、詳しい状況や犯行グループの実態について捜査を進めています。
被害を防ぐために注意すべきポイント
こうした被害を防ぐためには、企業・個人を問わず日頃からの警戒が欠かせません。一般的に有効とされる対策には、次のようなものがあります。
- 銀行を名乗る電話でも、安易に指示に従わず、必ず公式の窓口に折り返して確認する
- 身に覚えのないソフトのインストールを求められた場合は応じない
- 遠隔操作ソフトの取り扱いには十分注意し、不審な指示は社内で共有する
- インターネットバンキングの不審な取引履歴をこまめに確認する
特に「自動音声で銀行を名乗る電話」には注意が必要です。正規の金融機関がいきなりソフトのインストールを求めることは通常考えにくいため、不審に感じたらすぐに対応を止めることが重要です。
まとめ
2026年に入って相次ぐ「ボイスフィッシング」の被害は、すでに全国で約13億円に達しています。銀行を装う自動音声の電話と遠隔操作ソフトを組み合わせた巧妙な手口であり、特に企業が標的となっている点が特徴です。電話やメールで安易にソフトをインストールしない、不審な連絡は公式窓口で確認するといった基本的な対策を徹底することが、被害を防ぐ第一歩となります。今後の捜査の進展にも注目したいところです。
本記事は2026年6月27日時点の報道をもとに作成しています。