7月3日、オープンソースの分散型動画配信プラットフォーム「PeerTube(ピアチューブ)」に関する話題が伝えられました。特定の企業が動画と利用者を一元管理する既存サービスとは異なる仕組みは、動画配信のあり方を考えるうえで注目のテーマです。
PeerTubeとは何か
PeerTubeは、AGPL-3.0ライセンス(ソースコードが公開され、誰でも利用・改変できる仕組みのライセンス)のもとで開発されているオープンソースソフトウェアです。
YouTubeやニコニコ動画のように、一つの企業が動画データも利用者アカウントもまとめて管理するのが従来の動画サービスの一般的な形でした。これに対しPeerTubeは、独立した複数のサーバーがつながり合って動画を配信する「分散型」の仕組みを採用しているのが大きな違いです。
「インスタンス」と「フェデレーション」
PeerTubeでは、利用者が動画の公開先となる「インスタンス」(個々のサーバー)を選ぶことができます。特定の運営者に集中せず、複数のサーバーがそれぞれ独立して存在している点が特徴です。
さらに、サーバー同士で投稿やアカウント情報を連携できる「フェデレーション型」の仕組みを備えています。これにより、あるインスタンスに登録した利用者が、別のインスタンスの動画や情報ともつながれるようになっています。
この連携には「ActivityPub(アクティビティパブ)」という規格が使われています。ActivityPubは、異なるサービス間でデータをやり取りするための共通ルールで、分散型SNSなどでも採用されている技術です。PeerTubeがこれに対応していることで、対応する他サービスとの相互のやり取りが可能になります。
サーバーを介さないP2P配信
PeerTubeのもう一つの特徴として、サーバーを介さずに端末同士で直接データをやり取りする「P2P(ピア・ツー・ピア)」による動画配信ができる点が挙げられます。
一般的な動画サービスでは、多くの人が同時に視聴するとサーバーに負荷が集中しやすくなります。P2P方式では、視聴者同士がデータを分け合う形になるため、特定のサーバーへの負担を軽減できると伝えられています。
まとめ
PeerTubeは、独立した複数のサーバーが連携する分散型の動画配信プラットフォームです。利用者がインスタンスを選べること、ActivityPubによるサーバー間連携、P2Pによる配信という3つの特徴を持っています。
動画配信は特定の大手サービスに集中しやすい分野ですが、こうしたオープンソースの分散型技術は、それとは異なる選択肢を示すものといえます。技術やインターネットの仕組みに関心がある人にとって、押さえておきたい話題の一つです。
※本記事は7月3日時点で伝えられた情報に基づいています。