7月11日、3Dプリント住宅を手掛ける日本のスタートアップ、セレンディクス(兵庫県西宮市)が、3Dプリンタで建築した防爆シェルターやドローン基地を、英国の防衛産業展示会で展示すると伝えられた。防衛装備庁が出展するブース内で実物が公開される予定だという。3Dプリント技術が住宅分野を超えて防衛・安全保障の領域に広がりつつある動きとして注目される。
何が展示されるのか
セレンディクスが手掛けるのは、3Dプリンタを使って建築する防爆シェルターとドローン基地だ。今回の展示は、日本の防衛装備庁が英国の防衛産業展示会に出展するブース内で行われるとされている。
同社はこれまで3Dプリント住宅を主力事業としてきたが、その建築技術を応用し、防衛関連の構造物へと展開する形になる。実物が海外の展示会で紹介される点で、日本発の建築技術を対外的にアピールする機会になるとみられる。
従来の建築手法との違い
セレンディクスによると、3Dプリントによる建築は、既存の建築手法と比べて「形状の自由度」と「建設立地の自由度」で勝るという。
一般的な建築では、型枠を組んだり資材を運び込んだりする工程が必要となり、複雑な形状や設置場所には制約が生じやすい。一方、3Dプリント技術では、設計データに基づいて構造物を積層して造形するため、曲面を含む複雑な形状にも対応しやすく、設置する場所の条件にも柔軟に対応できるとされる。
こうした特性が、防爆シェルターやドローン基地といった、迅速な設置や特定用途に応じた形状が求められる構造物と親和性が高いと同社は位置付けているとみられる。
技術の広がりをどう見るか
3Dプリント建築技術が防衛分野に応用されることについては、さまざまな見方がある。
技術的な観点からは、建設のスピードや立地の自由度が高まることで、これまで建設が難しかった環境にも構造物を整備できる可能性が指摘される。一方で、防衛関連の装備・施設に民間スタートアップの技術がどのように活用され、どの範囲で導入が進むのかは、今回の展示時点では具体的に明らかにされていない。
民間企業の建築技術が防衛領域へ広がる動き自体は、産業と安全保障の関係をめぐる論点を含むテーマでもあり、今後の展開を注視する必要がある。
まとめ
7月11日に伝えられた今回のニュースは、日本のスタートアップであるセレンディクスが、3Dプリント技術で建築した防爆シェルターやドローン基地を、英国の防衛産業展示会の防衛装備庁ブースで展示するという内容だ。形状や立地の自由度という3Dプリント建築の強みが、住宅分野を超えて広がりつつあることを示す事例といえる。具体的な導入計画については現時点で明らかになっておらず、今後の動きが注目される。