OpenAI、サイバー防御向け「Daybreak」を拡張 専用AI「GPT-5.6-Cyber」で高度な脅威分析を支援

8月11日、OpenAIはサイバー防御者向けの取り組み「Daybreak」を拡張し、新たに「Blue」「Red」という2つのアクセス階層と、専用モデル「GPT-5.6-Cyber」を発表した。サイバー攻撃が高度化する中、防御側がAIを活用しやすくする動きとして注目される。

30秒でわかるポイント

  • OpenAIが「Daybreak」を拡張し、アクセス階層を2種類に分けた
  • Red向けに専用モデル「GPT-5.6-Cyber」を投入した
  • 未知の脆弱性発見など高度な防御作業を支援する狙いがある

Daybreakとは何か

「Daybreak」は、OpenAIがサイバー防御を担う専門家向けに提供しているイニシアチブ(取り組み)だ。

セキュリティ研究者や企業の防御担当者が、AIモデルを活用して攻撃への対策を進められるようにすることを目的としている。

今回の拡張では、利用目的や権限に応じて「Blue」と「Red」という2つのアクセス階層が設けられた。

  • Blue:一般的な防御業務を想定した階層
  • Red:より専門的で高度な検証作業を想定した階層

専用モデル「GPT-5.6-Cyber」の役割

Red階層向けに新たに投入されたのが、専用モデル「GPT-5.6-Cyber」である。

このモデルは、ゼロデイ脆弱性(未知の欠陥)の発見や、エクスプロイト(脆弱性を突く攻撃手法)の検証といった高度なタスクを支援する設計となっている。

セキュリティ分野では、AIモデルが安全対策として過度に応答を拒否してしまい、正当な研究活動が妨げられるケースが指摘されてきた。

OpenAIは今回の措置について、こうした過度な拒否動作を抑制し、正当なセキュリティ研究を後押しする狙いがあるとしている。

なぜ今、この取り組みが必要とされるのか

サイバー攻撃の手法は年々複雑化しており、防御側にも高度な分析能力が求められている状況がある。

AIモデルを活用することで、人手だけでは発見が難しい脆弱性の特定や、攻撃シナリオの検証を効率化できる可能性がある。

一方で、攻撃検証に近い機能を持つAIモデルの提供には、悪用リスクをどう管理するかという課題も存在する。

そのため、アクセス階層を分けて利用者や用途を制限する仕組みが取られたとみられる。

今後の展望

OpenAIは今回の発表で、Daybreakの拡張が防御者向けの支援を強化するものであると説明している。

今後、Blue・Redそれぞれの階層でどのような運用ルールが設けられるか、実際の利用状況がどう広がるかが注目されるとみられる。

まとめ

OpenAIは8月11日、サイバー防御者向けの取り組み「Daybreak」を拡張し、専用モデル「GPT-5.6-Cyber」を発表した。攻撃が高度化する中、防御側の分析能力を高める狙いがあるが、同時に悪用リスクへの対応も課題となる。今後、実際の運用を通じてどのような効果や懸念が示されるか、動向を見守る必要がある。

出典: ITmedia NEWS