うるう秒、2026年12月末も見送り決定──最後の挿入から10年に

7月10日、世界時の管理を担う国際機関「国際地球回転・基準系事業(IERS)」が、2026年12月末に「うるう秒」を挿入しないことを決定したと伝えられました。前回のうるう秒挿入から約10年が経過することになり、時刻の国際的な取り扱いを考えるうえで注目される話題です。

そもそも「うるう秒」とは何か

うるう秒とは、地球の自転をもとにした「天文時間(世界時)」と、原子時計をもとにした「原子時間」とのわずかなずれを調整するために挿入される1秒のことです。

原子時計は非常に正確に時を刻みますが、地球の自転速度は潮の満ち引きや地球内部の変化などによって微妙に変動します。この結果、2つの時間の間に少しずつずれが生じるため、これまでは必要に応じて1秒を追加する「うるう秒」で調整してきました。

うるう秒を入れるかどうかは、例年6月末と12月末のタイミングでIERSが検討し、実施の可否を発表する仕組みになっています。

2026年12月末も挿入なし、最後の挿入から10年

今回IERSは、2026年12月末にもうるう秒を挿入しないと決定しました。これにより、直近でうるう秒が実施されてから約10年が経過することになります。

近年、うるう秒が挿入されない状態が続いている背景には、地球の自転に関わる状況の変化があるとみられます。うるう秒はこれまで「1秒を追加する」形で運用されてきましたが、地球の自転が速まる傾向が観測される場面もあり、時刻調整のあり方をめぐる議論が世界的に続いています。

うるう秒をめぐる国際的な議論

うるう秒については、これまでもさまざまな立場からの意見が示されてきました。

一方では、天文時間と原子時間のずれを正確に合わせるために調整が必要だとする考え方があります。天体観測や測位など、精密な時刻を扱う分野では時間の正確さが重視されるためです。

他方で、うるう秒の挿入はコンピューターシステムやネットワーク、金融取引など、秒単位で動く現代のインフラに影響を及ぼす可能性が指摘されてきました。突発的に1秒を追加する運用が、システム障害のリスクにつながりうるという見方もあります。

こうした議論を背景に、うるう秒の運用そのものを将来的に見直す動きが国際的に進められているとされていますが、具体的な今後の方針についてはIERSの発表内容に基づく範囲で見守る必要があります。

まとめ

  • 7月10日、IERSは2026年12月末にうるう秒を挿入しないことを決定したと伝えられました。
  • うるう秒は、地球の自転による天文時間と原子時間のずれを調整するための1秒です。
  • 今回の見送りにより、前回の挿入から約10年が経過することになります。
  • うるう秒については、正確な時刻を保つ必要性と、システムへの影響を懸念する立場の双方から議論が続いています。

私たちの生活を支える「時刻」の基準がどのように決められているのか。うるう秒の動向は、テクノロジーと自然のずれをどう扱うかという身近で奥深いテーマといえそうです。