東大生に広がる「うつ・休学」問題 “全勝”で走ってきた若者が挫折に弱い理由

7月4日、東洋経済オンラインが報じた記事によると、東大生の休学率が急増し、その背景に「うつ」や適応障害の問題があるという。学業で成功を重ねてきたエリート層がなぜ心を病むのか——これは受験生や就活生、そして働く社会人にとっても他人事ではないテーマです。

「人生をRTAのように走る」若者たち

記事が指摘するのは、東大生の多くが人生を「最短ルートのRTA」のように捉えているという心理傾向です。RTA(リアルタイムアタック)とは、ゲームを最速でクリアするプレイスタイルを指す言葉ですが、それを人生に当てはめる考え方があるといいます。

つまり、無駄なく効率よく、失敗せずに目標へ到達することを是とする発想です。受験勉強という明確なゴールに向けて全力で走り、実際に「全勝」で東大合格を勝ち取ってきた学生たちにとって、この考え方は成功体験そのものだったとみられます。

「初めての挫折」がなぜ致命傷になるのか

記事によれば、問題はこうした学生が大学入学後などに「初めての挫折」を経験したときに生じるといいます。これまで一度も大きな失敗をしてこなかったからこそ、挫折への耐性(レジリエンス)が育っていないという構図です。

小さなつまずきでも、「全勝」を前提に生きてきた人にとっては自己否定につながりやすく、それがうつ病や適応障害の引き金になり得ると伝えられています。記事はこれを「成功者ゆえの不幸」「全勝の落とし穴」と表現しています。

成功し続けてきたがゆえに、失敗との向き合い方を学ぶ機会がなかった——これは学力の高さとは別の課題だといえます。

誰にとっても示唆のあるテーマ

この話は東大生だけの問題として片づけられるものではありません。効率や結果を重視する風潮は、受験生や就活生、働く社会人にも広く共通するものだからです。

一方で、こうしたテーマをどう捉えるかは人によって異なります。「早い段階で挫折を経験させるべきだ」という見方もあれば、「本人を追い詰めず、支える環境づくりが大切だ」という見方もあり得ます。記事は特定の解決策を断定するものではなく、挫折とどう向き合うかという問いを投げかける内容だとみられます。

大切なのは、失敗を「終わり」ではなく「経験の一つ」として受け止める視点を持てるかどうかにあるのかもしれません。

まとめ

  • 7月4日、東洋経済オンラインが東大生の休学率急増とうつ・適応障害の関係を報じた
  • 背景には人生を「最短ルート」で走り抜こうとする心理傾向があると指摘されている
  • 「全勝」で成功してきたゆえに、初めての挫折への耐性が乏しいという構図
  • 効率重視の風潮は多くの人に共通し、挫折との向き合い方を考えるきっかけになる

会話や面接で「若者のメンタルヘルス」が話題になった際、多角的に語れる視点として押さえておきたいテーマです。