8月21日、大手アダルトサイトのPornhubが、イギリスの年齢確認義務化以降に悪質なアダルトサイトが増えているとする調査結果を発表した。年齢確認によって未成年者を守るはずの制度が、思わぬ副作用を生んでいる実態が明らかになった。
30秒でわかるポイント
- イギリスの「オンライン安全法」により、アダルトサイトには年齢確認が義務付けられている
- Pornhubの調査で「無料ポルノ」の検索結果上位10件中7件が、この規制に準拠していないサイトだった
- 規制に従う正規サイトより、無審査の悪質サイトが検索結果で目立つ状況になっているとみられる
イギリスの年齢確認義務化とは
イギリスでは、未成年者をインターネット上の有害コンテンツから守る目的で「オンライン安全法」が定められている。
この法律に基づき、アダルトサイトの運営者には利用者の年齢を確認する義務が課されている。
Pornhubのような大手サイトは、この義務に従って年齢確認の仕組みを導入しているとされる。
Pornhubが公表した調査結果の内容
8月21日にPornhubが公表した調査によると、「無料ポルノ」というキーワードで検索した際の上位10件のうち、7件が年齢確認の規制に準拠していないサイトだったという。
つまり、正規の手続きを踏んでいるサイトよりも、規制を無視したサイトの方が検索結果で上位に表示されやすい状況になっているとみられる。
Pornhubはこの結果をもとに、年齢確認義務の強化が、かえって規制外の悪質サイトへ利用者を誘導している可能性があると指摘している。
この問題をめぐる複数の見方
この調査結果については、複数の立場から異なる受け止め方ができる。
- 未成年保護を重視する立場からは、規制自体は必要であり、無審査サイトの取り締まり強化が求められるという見方がある
- 一方で、規制を厳格にするほど利用者が無審査の海外サイトへ流れてしまい、かえって保護が難しくなるという懸念もある
- また、検索エンジン側の表示順位の仕組みに問題があるのではないかという指摘も考えられる
Pornhub自身が規制対象企業であるため、この調査結果を評価する際には、同社の立場も踏まえて多角的に見る必要があるとみられる。
今後の課題
年齢確認義務のような制度は、未成年者保護という目的自体には広く理解が得られやすい。
しかし今回の調査結果は、制度の運用方法や検索結果の表示のあり方によって、狙いとは逆の効果が生じ得ることを示している。
イギリス当局や検索エンジン運営会社が、この指摘にどう対応するかは今のところ明らかになっていない。
まとめ
8月21日にPornhubが公表した調査は、イギリスの年齢確認義務化が悪質なアダルトサイトの増加につながっている可能性を示すものだった。未成年者保護と規制の実効性をどう両立させるかは、今後も議論が続くテーマになりそうだ。制度の目的と実際の効果にギャップが生じている点は、他国の同様の規制を考える上でも参考になる事例といえる。
出典: Gigazine